top of page
検索

東京大学付属病院 1982







第1期の中央診療棟Ⅰ、第2期の外来棟、第3期の入院棟そして第4期の中央診療棟Ⅱの竣工まで四半世紀の時間を費やすことになった東大病院建替え計画は、近年日本の病院建築計画の先進的役割を担ってきたといえる。長き渡って秩序をもって計画が進行してきたのはシステムマスタープラン(時間軸を想定した将来構想)に基盤をおいていたからといえる。


メインホスピタルストリートに沿って中央診療機能、外来診療機能、入院棟機能が並列した機能並列型のプランであり、ホスピタルストリート(主動線)を端部に配置したフレキシブルプランである。順次立て替えていく計画において、その時代の医療政策、先進技術を取り込むことができる柔軟性を備えたシステムといえる。


第1期の中央診療棟建設時と現在を比較すると医療を取り巻く環境は激変した。移植医療、遺伝子治療、ヒトゲノムの解明と医療への応用、新薬の開発、再生医療の隆盛。また、患者を取り巻く環境においても、医療機能中心の考え方から癒しの環境、インフォームドコンセント、情報開示、EBM(科学的根拠を基づいた医療)など医療そのものも患者サービスに主眼に置いた考え方に移行した。


このような環境の中で医療スタッフとのコミュニケーションを図りながら新たなテーマに対して常に研究的にスタディーを繰り返す設計手法をとることで東大病院の<先端医療・高度医療>が実現できたといえる。


所在地:東京都文京区

規 模 :敷地面積 80,377㎡

    計画面積 158,500㎡

    外来棟   21,400㎡

    中診+東  34,500㎡

    病棟   57,200㎡

    研究棟  40,000㎡

    その他  5,400㎡

病床数: 1,301床

構 造 :地下2階、地上12階 鉄骨鉄筋コンクリート造

竣 工 :中診Ⅰ期 1987年

    外来棟  1994年

    入院棟  2001年

    中診Ⅱ期 2006年

bottom of page