「自然の恵みを享受する校舎」
市中央に位置する水府地区では、少子化の影響により児童生徒数の減少が続いている。そのような状況において地場産業でもある木材の活用と大工技術の継承を踏まえ、木造の実現に至った小中一貫教育校である。
子どもたちが9年間を過ごす「学び舎」として、木のぬくもり、自然の移ろいを感じ、感性が豊かになる学校を目指した。
「地場産材の活用・木の魅力を活かした建築」
<普通教室・管理棟><特別教室棟>
杉材または杉と桧の集成材で構成された在来軸組工法を採用した。木造の水平力の一部を隣接するRC造に負担させることで、桁行方向の耐力壁の少ない、開放的でフレキシブルな空間を実現
<ふれあい棟>
集成材を用い、方杖を設けてメディアセンターと多目的ホールの大空間を実現
<屋内運動場棟>
屋根は杉の製材を組み上げたトラスで構成。梁間、桁行の両方向に勾配をつけることで、競技に必要な高さを確保しつつ軒の高さを抑え、周囲の建物に調和する形状になっている。
各棟ともこれら茨城県産の木構造材を極力あらわしとし、木組みの美しさを見せるデザインを意図した。地場産材で建てられた木造校舎が、森林資源が豊富な水府地区の児童・生徒にとって、自然についてより深く学ぶ身近な教材となり、夢と希望を育むことを願っている。
【建築概要】
所在地 茨城県常陸太田市
敷地面積 37,767,34㎡
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