「生きる場所としてのこどもホスピス」
生命にかかわる病気(LTC)のこどもとその家族は、主に病院や自宅という限られた環境の中で、こどもの看病を中心とした生活を送ることが多く、医療・福祉・教育制度の狭間で孤立し、精神的・体力的・経済的・社会的に大きな負担を抱えている。
終末期医療を迎えた成人とは異なり、たとえLTCの状態であっても、こどもは日々成長する。こどもホスピスでは、そのようなこどもが、人生の限られた時間の中にあっても、きょうだいや家族と一緒に安心して遊んだり学んだりできる場と機会を提供し、こどもらしい生き方を豊かに過ごすことができる場所を目指している。
「うみとそらのおうち」
1階のみんなで過ごせる交流フロアには、訪れた家族がオープンキッチンで一緒に食事をつくったり、ブランコなどの遊具で遊ぶことができるオープンスペースを用意した。地域開放も想定。
2階のくつろぎフロアには、家族で過ごせる「部屋」と、木造架構をあらわしにした「あそびホール」を配置した。
「あそびホール」はステンドグラスやトップライトから柔らかい光を取入れ、木のぬくもりと穏やかな光につつまれる、やさしい空間にした。
「部屋」の主照明は間接照明とし、知覚に過敏なこどもに配慮している。
【建築概要】
所在地 横浜市金沢区六浦東
敷地面積 727.65㎡
建築面積 337.90㎡
延床面積 499.79㎡
構造 鉄筋コンクリート造一部木造
規模 地上2階
竣工 2021年10月
受賞歴 キッズデザイン賞2023(外部リンク)
iF DESIGN AWARD 2024(外部リンク)
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