宇都宮市の郊外115 haという広大な森林の中に市民憩いの森がつくられつつある。森の中では杉林やコナラの林が草原に接するエッジが美しく、その周縁から開ける草原のゆるやかな勾配が自然のうねりとなって続く。緑の周縁と地の起伏を尊重することから、人工的な造成は加えないこと、そして展示室を巡回する間に周辺の美しい自然に接することができるような回廊路による平面計画、これらの狙いを4つの棟が森の中へ翼をのばす配置によって得ている。更に1階と2階部分とがわずかに軸をずらすという複合・重合構成の手法によって自然との柔らかい交わりを図っている。漆喰のようなタイル壁、この地方に特有の大谷石、板壁のようなアルミスパンドレル壁という3手重類の素材の組み合わせを用いたのも、周辺の自然に触発されてのことである。
所在地: 栃木県宇都宮市長岡町地内
構造: 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上2階地下1階
規模: 敷地面積:263,424㎡ 建築面積: 5, 036㎡ 延床面積: 9, 388㎡
竣工年: 1996年
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